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産後の葉酸サプリはいつまで?授乳中の必要量とやめどき【薬剤師監修】

産後の葉酸サプリはいつまで?授乳中の必要量とやめどきを解説する記事のアイキャッチ。赤ちゃんを抱く母親の写真と【薬剤師監修】の文字。

「妊娠中から飲んでいる葉酸サプリ、出産したし、もうやめてもいいのかな?」「そもそも、産後も本当に必要なの?」

出産おめでとうございます。慣れない育児に奮闘する中で、ふとそんな疑問を感じるママは少なくありません。

この記事では、多くのママが抱える産後の葉酸サプリに関する疑問に、お薬と栄養の専門家である薬剤師が分かりやすくお答えします。結論から言うと、葉酸は産後のママと赤ちゃんにとって非常に重要な栄養素です。この記事を読めば、なぜ必要なのかが明確に分かり、自信を持ってこれからのセルフケアを選択できるようになります。

この記事の監修者
この記事の監修者
西口 梨恵

◤肩書
株式会社まちかどメディカル
代表取締役
薬剤師

◤略歴
東邦大学薬学部 卒業/北部地区医師会病院/医療法人福寿会メディカルトピア草加病院/ピップ株式会社/令和3年より現職

◤資格
薬剤師免許

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結論:授乳期は食事内容に応じてサプリで補うのがおすすめ

授乳期は推奨量が340μg/日に増えるため、食事で不足する分はサプリで補うのが現実的です。サプリ継続の要否は、ご自身の食事内容・貧血の有無・主治医の指示などに応じて調整しましょう。

なぜなら、葉酸は出産でダメージを受けたママの体を回復させるだけでなく、母乳を通じて赤ちゃんの健やかな成長をサポートする、非常に重要な役割を担っているからです。

妊娠中だけでなく、産後も葉酸がいかに大切か、その理由をこれから詳しく解説していきます。

妊活期から授乳期までの葉酸の必要量の変化を示す図。妊活期〜妊娠初期は640µg(食事240+サプリ400)、妊娠中期〜後期は480µg、授乳期は340µgが推奨されることを説明。

知らないと損!産後・授乳中に葉酸が必要な理由

産後・授乳中に葉酸が必要な理由は、大きく分けて「ママ自身のため」と「赤ちゃんのため」の2つがあります。あなたと、あなたの大切な赤ちゃんにとって、具体的にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

【ママ編】産後の身体の回復をサポートする

出産は、ママの体に想像以上の負担をかける大仕事です。産後の体は、まさに交通事故レベルのダメージを受けているとも言われます。葉酸は、このダメージを受けた体を回復させるために欠かせない栄養素です。

理由1:血液を作る働きで、産後の貧血をサポートする

葉酸は「造血のビタミン」とも呼ばれ、赤血球を作るために不可欠です。

出産時の出血や悪露(おろ)によって多くのママは貧血気味になりますが、葉酸が新しい血液作りを助けます。ただし、産後の貧血は鉄欠乏が主因のことが多いため、ふらつきや強い疲労が続く場合は医療機関で検査を受けましょう。WHOは産後6–12週間の鉄(±葉酸)補給を提示しています。

理由2:細胞の生まれ変わりを助け、抜け毛や肌荒れをケアする

葉酸は、新しい細胞が作られる際に重要な働きをします。

産後の抜け毛の主因はホルモンバランスの変化ですが、栄養不足が回復を妨げることも。葉酸は細胞分裂を助け、回復を支える役割が期待できます。症状が長引く、またはひどい場合は皮膚科など専門医に相談しましょう。


薬剤師・西口先生からのアドバイス

産後の抜け毛は多くのママが経験する自然な現象ですが、新しい髪が健康に生えてくるためには、その材料となる栄養が不可欠です。特に葉酸やタンパク質、亜鉛などを意識して摂ることで、健やかな髪の再生をサポートできますよ。

理由3:精神的な安定のサポートに役立つ可能性がある

葉酸状態の良好さと抑うつの少なさを示す報告はありますが、サプリで産後うつを予防できると断言できる段階ではありません。

葉酸は精神の安定に関わる神経伝達物質の合成を助ける栄養素です。しかし、気分の落ち込みが続く場合は、栄養補助だけに頼らず速やかに専門家へご相談ください。

【赤ちゃん編】母乳を通じて栄養を届ける

母乳は、ママが食べたものから作られています。つまり、ママの栄養状態が、母乳の質、ひいては赤ちゃんの健康に直結するのです。

理由4:赤ちゃんの健やかな発育に欠かせない

葉酸は、赤ちゃんの脳や神経、体を形作る細胞分裂に不可欠な栄養素です。

特に、生後数ヶ月は赤ちゃんの脳が急速に発達するとても重要な時期。ママが十分な葉酸を摂取することで、母乳を通じて赤ちゃんの発育に必要な栄養をしっかりと届けることができます。

理由5:赤ちゃんの健康維持をサポートする

葉酸は細胞分裂や免疫細胞のはたらきに不可欠な栄養素であり、不足を防ぐことが重要です。

一方で、母体のサプリ摂取が直接「母乳の質や赤ちゃんの免疫を高める」と断定できる十分なエビデンスは、現時点で限定的とされています。

対象葉酸の主な働き
ママ・貧血のサポート
・抜け毛、肌荒れのケア
・精神的な安定のサポート
赤ちゃん・脳や神経系の発達を促進
・健やかな体の成長をサポート
・健康維持のサポート

産後・授乳期の葉酸、どれくらい必要?食事だけで摂れる?

産後も葉酸が大切なことは分かったけれど、「じゃあ、具体的にどれくらい摂ればいいの?」という疑問にお答えします。

厚生労働省が推奨する摂取量は1日340μg

授乳期のママに推奨される葉酸の摂取量は、1日あたり340μgです。

これは、妊娠していない成人女性よりも100μg多く、母乳を通じて赤ちゃんに栄養を分け与える分、通常よりも多くの葉酸が必要になることを意味します。ライフステージごとの推奨量と上限量を以下の表にまとめました。

ライフステージ食事からの推奨摂取量 (μg/日)サプリ等からの付加推奨量 (μg/日)耐容上限量 (μg/日)
成人女性(通常時)240900 (18-29歳)1,000 (30歳以上)
妊活中・妊娠初期240+400900 (18-29歳)1,000 (30歳以上)
妊娠中期・後期240 + 240 = 480900 (18-29歳)1,000 (30歳以上)
授乳期240 + 100 = 340900 (18-29歳)1,000 (30歳以上)

葉酸を多く含む食品と、食事だけで摂る難しさ

葉酸は、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜や、納豆、レバーなどに多く含まれています。

しかし、食事だけで毎日必要な量の葉酸を摂るのは、実はかなり大変です。

葉酸は水溶性で熱に弱いため、茹でると約半分に減ることもあります。蒸す、電子レンジ調理、または栄養が溶け出たスープごといただくなどの工夫で、損失を抑えることができます。

なにより、赤ちゃんのお世話で自分の食事もままならない忙しい毎日の中で、栄養バランスの取れた食事を3食用意するのは、現実的に難しいと感じる方がほとんどではないでしょうか。

だからこそ、普段の食事を基本としながら、足りない分はサプリメントで手軽に、そして確実に補う方法が、多くの専門家から推奨されているのです。

食品名100gあたりの葉酸含有量 (μg)
焼きのり1,900
鶏レバー (生)1,300
枝豆 (ゆで)260
パセリ (生)220
ほうれん草 (生)210
ブロッコリー (生)210
アスパラガス (生)190
いちご (生)90

出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

【Q&A】産後の葉酸サプリ、薬剤師がみんなの疑問に答えます

ここでは、産後の葉酸サプリに関してよく寄せられる質問にお答えします。

Q1. 葉酸サプリはいつやめる?卒業のタイミングは?

A. 「授乳期間が終わった時」が、ひとつの良いタイミングです。

卒乳や断乳をしたら、サプリも卒業と考えて良いでしょう。ただし、もしすぐに第二子を考えている場合は、次の妊娠に備える「妊活」のために飲み続けることをおすすめします。

Q2. 妊娠中に飲んでいたサプリをそのまま続けてもいい?

A. 基本的には、そのまま続けても問題ありません。

ただし、産後・授乳期は葉酸だけでなく、貧血予防のための「鉄分」や、骨や歯の健康を守る「カルシウム」、その吸収を助ける「ビタミンD」なども特に不足しがちです。

もしどのサプリを選べば良いか迷う場合は、授乳中におすすめの葉酸サプリを比較しているこちらの記事も参考にしてみてください。

Q3. 飲み過ぎても大丈夫?過剰摂取のリスクは?

A. 通常のサプリを規定量通りに飲んでいれば、心配ありません。

厚生労働省では葉酸の耐容上限量を定めており、用法・用量を守っていれば問題ありません。ただし、複数のサプリを併用する際は注意が必要です。また、葉酸の過剰摂取はビタミンB12欠乏症の発見を遅らせる可能性も指摘されているため、自己判断での大量摂取は避けましょう。

Q4. 葉酸以外に、産後に摂るべき栄養素は?

A. 特に意識してほしいのは、「鉄分」「カルシウム」「ビタミンD」「タンパク質」です。

これらは母乳で赤ちゃんに与えたり、ママ自身の回復のために大量に消費されたりするため、非常に不足しやすくなります。今のあなたの体調をチェックしてみましょう。

あなたの産後栄養、足りてる?簡単セルフチェック
□ めまいや立ちくらみがする(鉄分不足かも)
□ 髪の毛が抜けやすい、パサつく(タンパク質・葉酸不足かも)
□ なんだか気分が落ち込みやすい(葉酸・鉄分不足かも)
□ 骨や歯が弱くなった気がする(カルシウム・ビタミンD不足かも)
※あくまで目安です。気になる症状があれば、医療機関にご相談ください。

まとめ:産後の自分と赤ちゃんのために、葉酸サプリを賢く続けよう

最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。

  • 授乳期は葉酸の必要量が増えるため、食事内容に応じてサプリで賢く補うのがおすすめ。
  • 産後のママの回復と赤ちゃんの成長のために、不足なく摂りたい重要な栄養素。
  • 授乳期の推奨量は340μg。食事だけで毎日摂るのは大変なので、サプリの活用が効率的。

育児中は、どうしても自分のことは後回しになりがちです。ですが、ママが元気でいることが、赤ちゃんの笑顔にとっても一番大切なこと。

産後に葉酸サプリを上手に活用することは、未来の自分と、かけがえのない赤ちゃんへの「賢い投資」です。この記事が、あなたの不安を解消し、自信を持って毎日を過ごすための一助となれば幸いです。

参考文献・参照元